友人のチャンさんがホーチミンで自分の送り出し機関を立ち上げたのが、2024年の初夏でした。
日本で監理団体と登録支援機関を運営している彼ですが、技能実習生の日本語教育を送り出し機関に任せるのではなく、自分の理念に基づいた教育を自ら行い、日本語能力についても責任を持ちたいという強い気持ちがありました。
チャンさんの親戚でホーチミンで五つ星認定されている送り出し機関(TICのグループ)の社長がいます。
その社長も協力を得て、「有限会社OHAYO国際」※以降、「ホーチミン教育センター」を設立しました。
チャンさんの人脈の広さもあり、設立後直ぐに、福岡県の企業様よりオーダーが入ります。
食肉や鮮魚の専門店として全国展開している「海星ムサシ様」
福岡県を中心に物流で活躍する「株式会社リュウセイ様」です。
どちらも、外国人の採用は初めてなので、教育する側としては責任重大です。
さて、面接日の9月2日がやってきました。
両社社長に加え、人事担当者も立会の為に訪越して頂きました。
面接開始前に両社の人事担当者による、会社説明会があったのですが、今回の為にPPTの資料を用意して頂き、今後、教育を担当する私としても、有益な情報を得ることが出来ました。
2社で合計9名採用予定の所、24名の候補者を用意して面接が始まります。

両社にとって、初めての外国人採用と言う事もあり、面接で質問は多岐にわたり、昼食を挟み4時間以上掛かりました。
ホーチミン教育センターの良い点として、日本人の私が面接前の事前教育に参加しているので、職種により、候補生の適正などを企業様にアドバイスできます。
候補生と初対面のお客様が面接だけで総合的に判断をするのはとても難しいです。
当初は9名採用予定だったのです。
ただ、候補生の中に離婚を機に苦しい生活を強いられている女性が一人おり、株式会社リュウセイの社長から「彼女に努力と明るい未来のチャンスをあげたい」と言う事で急遽合格者が1名増えました。
今回の採用が彼女と子どもたちにとって、幸せの第一歩になって欲しいと思います。

ここで企業様より、合格者全員にお土産が手渡されます。
私も幾つかの送り出し機関で6年ほど、働いていますが、お土産を用意してくれる企業様というのは初めてです。
10名の中には事前教育の段階から「日本語がどこまで上達するか・・・」心配していた実習生も含まれていますが、合格した以上は私の責任になります。
別の機会にブログでお話したいと思いますが、私には日本語の上達が遅い実習生でも、最低限の会話力をつけるノウハウがあります。
本来であれば、6ヶ月の学習期間ですが、4月の日本での入社式に実習生も参加してもらいたいと言う企業様の要望があり、日本語教育は約5ヶ月間です。
殆どの場合、受入企業様は面接に立ち会い、次に実習生と会うのは入社時となります。
ただ、今回の受け入れ企業様は学習期間中に二度も実習生に会いに来てくれました。
そして、受け入れ企業の社長より「勉強を頑張っている実習生達に美味しい日本料理を食べさせたい!」と提案がありました。
お土産だけでも嬉しいのですが、食事にまで誘って貰えるとは・・・
チョイスしたお店は1区にある、日本料理店です。殆どの実習生にとって、「初めての刺し身」です。
「初めての寿司」です。面接時、企業様からお土産を貰っていたので、実習生達は話し合い、各々の郷土から名産品などを用意してお土産のお返しをしていました。
社長から、「寿司はどう?」と聞かれ、一様に「美味しいです」と答えていたものの、箸が進まなかったのは、イマイチだったのかもしれません。
ただ、日本に行った多くの実習生に好きな食べ物はと聞くと「お寿司」や「刺し身」と答えるので、直ぐに慣れるでしょう。

そして、この食事会から3ヶ月後、再度、企業様が実習生に会いに来てくれます。
前回の食事では、通訳を介さなくては殆ど会話が出来ませんでしたが、今回は違います。
会話時に単語を選んで貰えれば、実習生はお客様と会話する事が出来ます。
・・・と言っても、10人の実習生の会話力には差があります。
会話力の劣る実習生に対して、上手な実習生が通訳してくれます。
前回の日本料理店では、生徒があまり食べなかったの見て、今回はベトナム料理の店を予約してくれました。
テーブルの上に溢れんばかりのベトナム料理が並び、実習生は日本語で会話をしながら、楽しそうに食事をしていました。

先ほども触れた様に、学習期間は5ヶ月です。
私の経験から、日本語の勉強をスタートして、4ヶ月経過位から一気に会話力が向上します。
さてこれから!と言うタイミングで日本に行ってしまうのは、少々、残念なのですが夜の補修授業も含めて、出来る限りの事をやりました。抜群に会話力が高い実習生が何人もいるので、上達の遅い彼らを助けてくれるでしょう。
さて、いよいよ、ベトナムにサヨウナラです。
一般的に技能実習生の場合3年間でベトナムに戻ることはありません。見送りに来てくれた家族や友人たちと涙涙・・・のお別れです。
今まで、多くの実習生を送り出してきましたが、日本で仕事は勿論、限られた時間で日本での生活を楽しんでもらいたいと言う気持ちで一杯です。

ベトナムで2度も食事会を開いてくれたお客様ですから、当たり前と表現しては大変失礼ですが、空港までお迎えに来てくれました。

そして、最後の締めと言うか、極め付きは日本での1ヶ月の講習期間中での、歓迎パーティーです。私はこのパーティーを知らなかったのですが、企業様から、この写真が送られてきた時にはびっくりしました。


店内なのに、ダウンを着ている実習生がいます。
日本の寒さに驚いている事でしょう。
そして、テーブルにはビール?ハイボール?も見えます。
ベトナムでの食事会の時は、アルコール禁止で皆さんコーラーで乾杯をしていましたからね。
写真からすると、博多のモツ鍋でしょうかね。
アツアツのモツ鍋に日本のキンキンに冷えたビールの感想を聞いてみたいものです。
これが記念すべき、OHAYOグループが運営するホーチミン教育センターの第一期生の報告です。
我々、OHAYOグループは「当たり前の日本語教育」でなく、常に「もっと良い指導方法があるんじゃないか?」「どうやったら、実習生の意識を改善出来るのか?」など、常に上を目指しています。
これから、ホーチミンでの二期生~三期生が始まります。
また、インドネシアでも、送り出し機関を設立して、企業様にとってベストな人材を送り出せる様に企業努力を惜しみません。
ベトナム人、インドネシア人の人材に関してご質問などがあれば、是非、OHAYOグループにお声がけください。